超低速起稿

都内在住のDJによるサブカルチャーと占術の談話

幻覚剤と未来の地球人たち

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◼️幻覚材料は役に立つのか
2年前の2018年ニューヨークタイムズが選ぶ今年の10冊にも選ばれた一冊。
この本によるといまアメリカを中心に幻覚剤ルネッサンスが起こっているらしい。
ルネッサンスは再生や復活を表す言葉で1966年を境にあらゆる大学や施設で禁止された幻覚剤の研究が今再び復活の兆しを見せているということ。そこには幻覚剤が不安障害、依存症、うつ病など、人間の思考や心の問題を解決する薬になるという事実が認められてきたという流れがあるそうだ。

 

 

◼️幻覚剤の歴史

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▲ホフマン博士

 

1938年人類は2つのツールを見つけた。
一つはウラン原子の分離に成功したことから核爆弾が生まれた。

そして、分離に成功する直前、若き研究者アルバートホフマンが偶然にもLSDを発見した。

 

(LSDの生みの親、ホフマンは1927年に大学を卒業すると、サンド社の薬学・化学研究所に入る。)

 

小麦やライ麦に寄生する菌である麦角アルカロイドから薬効成分を分離できないかと研究をやっている最中に発見。25番目に作り出したものが後にLSDと呼ばれるようになる幻覚剤だった。
1938年ホフマンが25番目に作り出したこの物質はサンド社が求めていた薬としての薬効は見られずそれから5年間の間、人の手に触れられることなく忘れさられていたが、1943年突然ホフマンは5年前に自分が作り出した物質を再び調べてみようという直感に駆られてそれを調べる。


不注意でそれをじかに触ってしまいそこからホフマンは人類初のLSDトリップ体験をする。

 

ホフマンがLSDを見つけたというよりLSDが人類をようやく見つけたような形で、ホフマンはこれ以来LSDの見せてくれる神秘的で美しく時に恐ろしく残酷なあちら側の世界に魅了されLSDの研究を世界に向けて進めていくのだった。

 

LSDと同じように強烈な幻覚を見せてくれるものにマジックマッシュルームがある。


このマジックマッシュの中の精神活性成分を特定してその成分をシロシビンと名付けたのもホフマン。

 

ホフマンはこの世界のあらゆる幻覚剤を人類に届けるために地球に落とされた人物だったのだろうか?

 

 

◼️配りまくる

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たまたまLSDを作り出して幻覚作用を体験できたホフマンと、彼が働いていたサンド社はその人が見ている世界に奇妙な変化をもたらす不思議な化学物質の商品としての使い方や価値をどこかの誰かが見つけてくれることを期待してLSDを世界中の研究者、セラピスト全員に無料で提供しまくった。


取り組みは1949年から1966年まで続けられた。

 

そしてこの時代から幻覚剤のいろんな側面がわかっていく。


まず幻覚剤を与えられた人が皆同じような幻覚体験をすると思っている人もいると思うが、そうではない。

 

 

◼️幻覚作用

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幻覚といっても単に周りのものがぐにゃぐにゃ曲がって見えたり聞こえない音が聞こえたりするだけじゃなく、同じ空間で同じタイミングに幻覚剤を使用した人たちの間でもそれぞれが感じる幻覚は違ったものになる。
ここでいう幻覚というのはあなたがこれまでの人生で経験してきたことその経験から作られたあなたの人格、あなたがこれからの先の未来に対して思っていることが、あなたに見せる幻覚を作っているからだ。

 

これにプラスして宇宙の流れがあなたに見せたい幻覚もある。

 

だから一回の幻覚剤の使用であなたが見る幻覚は、前世の記憶だったり過去のトラウマの再現だったりすでに死んだ人との再会だったり自分がなるべき未来だったり、宇宙人や神だったりと様々なバリエーションを取り揃えているが、これをまとめて神秘体験と人は呼ぶ。

 

その時のあなたの精神状態や周りの環境によって見える幻覚が選ばれるわけだが、これをセットとセッティングと言う。


幻覚剤を使用する前あなたの周りの環境、セッティングがどれほどよくてもあなたが精神状態に不安ばかり抱えた状態でそれを使用すればその不安が幻覚に現れて、例えばあなたの精神状態がすごく前向きにセットされていたとしても周りの環境が良くなかったら死ぬほど恐ろしい幻覚を見ることだってある。

 

それがわかったうえで1950年代には医師がセラピストや被験者のセットとセッティングをきちんと整えた上で幻覚剤を使って不安障害やうつ病、あらゆる依存症の治療が行われ、驚くほどの効果を上げて当時はあらゆる精神疾患に効く薬とまで言われていた。


この時代は精神病を患った患者にかかわらず普通に健康な人に対しても幻覚剤の実験を行っていてそれを体験した被験者たちは皆、自我が溶けていくのを感じ自然や世界と一体になってこのような物理法則以外にこの宇宙を動かしている流れに気づいたり、無神論者でさえ神の存在と愛を知ることができたと言っている。


シロシビンを普通に健康な人が使用する実験で
被験者の全員がその幻覚体験を人生の中で精神面における最も重要な経験トップ5に入れているという論文の報告もある。

 

幻覚剤があらゆる精神疾患に効果を示すのはLSDやシロシビンに薬効成分があるからではなく、
これらの持つ化学物質が一時的ににその人の自我を消滅させ神秘体験を与えるところにある。

 

◼️危険性

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夢の薬とまで言われた幻覚剤だが、1960年代に入るとすでに幻覚剤の危険性を煽る風潮が出てきてそれは若者の精神破壊兵器と言われるまでになる。
医師やセラピストが見守る中での使用以外にも
大学教授が生徒にシロシビンを提供したり
CIAがMKウルトトラ計画の一環で一般人にLSDをばらまいたりしたおかげでもっと幻覚剤が世の中に出回るようになりちゃんとしたセットとセッティングを行わなかったことで死に至る事件も起こった。


62年から63年にかけては大量の密造LSDが出回るようになって精神破綻やパニックを起こして病院に運ばれる若者も増えたという。


◼️覚醒

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でも幻覚剤が危険なドラッグとして認識されるようになったのはこういった事件が起こるようになったからだけではなくて幻覚剤の使用が【反社会主義カウンターカルチャーにつながってしまう。】
その性質を政府が恐れて危険なドラッグと定めた陰謀でもあるのだった。
現代人の自我は今の社会の仕組みによって築かれると言っていいだろう。
しかし幻覚剤はそういう社会が人の中に植えつけた自我を一度溶かしてしまってその人が地球に生まれた本当の意味や存在理由に気づかせてくれる。


実際1960年代はベトナム戦争の時代で政府からしたら戦いに意欲的な若者が必要だったわけだが、幻覚剤はこれに対抗する多くのヒッピーを生み出すことになった。

 

仮にその当時に幻覚剤が存在しなくても戦争や政府のあり方に反対する人たちは沢山出てきたでしょうが幻覚剤はそこに新しいけどどこか懐かしくもあるような、アイディアをつけたしていってその一部が今でも残る音楽やアート文学作品やデザイン映画の中なんかに表れている。


社会というものが境界と競争を生み出す仕組みを持っているならその境界線を溶かして同調を生み出すのが幻覚剤。
今ある社会体制や資本主義・物質主義を表上管理している政府にとって幻覚剤は原子力爆弾以上の脅威となり、人の性格や価値観を変えてしまう薬となったのだった。

 

 

◼️幻覚剤流行のおわりと復活

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1966年末、最終的に幻覚剤の管理は政府の機関であるアメリカ食品医薬品局FDAに委ねられそれまでLSDを無料で提供し続けていたサンド社もすべての研究に対して提供することを止め、ほぼすべての幻覚剤研究計画が吸収される。
この時唯一政府の中で幻覚剤の持つ可能性を信じ
研究プロジェクトを擁護してくれていたのがJFKの弟ロバートケネディ上院議員
しかし彼一人も訴えもむなしく研究の第1波は1966年で終了してしまう。


◼️エントロピー、デフォルトモードネットワーク

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年寄りほど幻覚剤は役に立つのではないかと言われている。
年をとって世界の見方や捉え方が凝り固まって毎日同じ習慣を繰り返すようになった中年にこそ後半の人生を有意義に生き抜くために新たに生まれ変わったような世界が見える神秘体験が必要だそうだ。

 

エントロピーというのは物事の乱雑さを表す指標。

 

脳内のエントロピーが減少しているとき、つまり自分の思考がはっきりとした秩序を持っている時に脳内で活性化している機能というのがデフォルトモードネットワーク。これは私達が普段生活している中で精神的な仕事をしていない時、何も考えていない時に活性化されている脳構造のネットワークのこと。

 

瞑想するときに【無】になると言われても最初の方は心がふらふらとさまよう。

 

考えてはないけど思いが巡っている時。

 

過去を振り返ったり未来に不安や希望を抱いたりする心の中でのタイムトラベル反省したり人の気持ちになってみたり… 

 

この時に脳で活発に機能しているのがデフォルトモードネットワークで、この機能は子どもの発達段階でも後の方になるまで働かないという。


そしてこのデフォルトモードネットワークはあなたの心の中の建造物や投影物を作る役割もしていて、あなたの自己や自我を構築する。

 

過去の経験と今自分に起きていること未来の創造をつなぎ合わせて自分が主人公の物語を作り上げようとしているのがこの機能で、自分はこういう人間だという認識を感じることができた時にこのネットワークが活発になるのだという。

 

わかりやすく言ったら sns に自分の写真を載せたりしていいねもらった時なんかがデフォルトモードネットワークがすごく活発になっている時である。

 

複雑で混乱しがちな人間の脳の全システムを管理して秩序を保つ役割を持っているわけだがこれが脳内エントロピーの大きいとか小さいを調整しているバルブのような機能をしていると考えられている。

 

脳内の秩序がきつくなりすぎたエントロピーが小さい状態には頑固な思考、依存症、強迫性障害うつ病、そして昏睡状態にある時が開けられていて、
脳内に秩序がないエントロピーが大きい状態が見られるのは幻覚剤を使用しているとき。


子供の意識、精神疾患の初期、魔術的思考拡散的あるいは創造的思考にある時だと言われている。


そして人の脳内は老化に伴ってデフォルトモードネットワークが活発になるために自分をこういう人間だという認識が強くなりすぎてやがて自我に支配され、最悪の場合こういった精神障害を患ってしまうことになるらしい。

 

精神障害とまではいかなくても年を重ねるごとに自分の殻に閉じこもるようになって自分の培った境界線で世界を分けて新鮮な目で世界を見ることができなくなってしまう。

 

子供の頃は見れたのにこの世界がどんなに美しい世界だったかを思い出さないまま死んでいくなんて嫌じゃないか?


◼️解放

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薄くなりすぎた秩序から抜け出す方法は脳のデフォルトモードネットワーク機能を抑制すればいいのだが、その王道な方法は一つ深い瞑想に入ることができれば自分の中の脳内エントロピーを再び増大させることができる。


この脳内エントロピー増大の過程が自我が溶ける
ことだったり自然と一体化することだったり神秘体験をすることにつながるのだが、まとめて言ってしまえばこれは悟りを得ること。

 

正直言って社会の中で生活している中で瞑想だけで悟りの境地までたどり着くのは難しいと思うかもしれない。

 

マインドフルネスになることはできるかもしれないが、瞑想を実践したところでみんながみんな釈迦のレベルまでいけるわけではない。

 

そんな時、ちんたら瞑想ばっかしてらんねーよっていう信仰心の欠片もないひとにとって役に立つのが幻覚剤。

 

悟りにたどり着くための王道が瞑想なら悟りにたどり着くまでの高速道路が幻覚体験だなってよく言われている。

 

◼️人々が幻覚剤をコントロールできなかった理由


当時先進国と言われた欧米諸国の西洋文化が彼らより前から幻覚剤の存在を知っていて生活の中で使用していた南米のシャーマニズムや精神世界を見つめるヨガや禅などの東洋思想をないがしろにしてきたということがある。

しかし現在、幻覚剤の持つ力をもう一度理解してコントロールしようという試みが広がっているのは世界中の人たちが瞑想を始め東洋思想に隠された人生を豊かに生きるための鍵に気付きそれを自分の社会生活と並行して実践していこうという流れが生まれたからでははないだろうか?

 

◼️事実
幻覚剤にしろ他のドラッグにしろ薬に良いも悪いもない。
ただしそういう化学物質が存在していて麦やキノコやカエルの分泌液(DMT)から出てきた化学物質がなぜか人間に神秘体験をもたらしてくれるというだけである。

 

 

 

令和TV【君のマインドを変える方法】より抜粋

 


君のマインドを変える方法【幻覚剤は役に立つのか】