10年以上前、学校の先輩にたまたまグラフィティに関心がある人がいて、よくボム(街中にグラフィティを書きつけること)をしていた話を聞くことも多かったため、無意識に東京の街中のグラフティに目がいくのだが、それからして海外に旅に出るときは決まってグラフティを見つけたら写真に収めたりをしていた。
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— VICE Japan (@VICEJapan) 2020年11月9日
冒頭の1分でもっていかれる、缶振る音、スプレーの発射音は中毒になる。
— マーシー (@xma34x) 2020年11月6日
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▲VICE/マイアミの伝説的グラフィティ・クルーが語る、シーンの変遷
ヒップホップを構成する四大要素であるラップ、DJ、ブレイクダンス、そしてグラフィティは、60〜70年代の荒廃したニューヨークでそれぞれ誕生した。これらのその後については周知のとおり、ニューヨークから旅立ち、世界的なムーヴメントへと進化したが、その行為自体が犯罪であるグラフィティは、ほかの要素より破壊的且つ閉鎖的だった。しかし、グラフィティを前衛的な〈芸術作品〉と捉えるアートコレクターの登場により、このアンダーグラウンドから今や数多の世界的なアーティストが輩出されている。 90年代初頭からマイアミを拠点に活動するMSGクルーは、その一貫したハードコアな姿勢で数多くの街を創り壊してきた。世界中のグラフィティ・ライターから多大な敬意を払われる彼らの〈破壊行為〉の現場に同行し、シーンの変遷についても語ってもらった。
グラフィティアートに特化した世界初の美術館 Museum of Graffiti
2019/12/9にオープンした美術館『Museum of Graffiti』グラフィティアートの歴史を紹介する世界初の美術館となる。
破壊行為が最大のテーマだが、最近はバンクシーのおかげなのか、【アート】という認識も広がる。
時代と共にアートはどうあるべきかという考え方も少しずつ変化していっているような気もする。
▲こちらは1980年代のNY
ただの落書きってかんじ感がすごい。
この頃、ダウンタウンの黒人文化とされていたNYのグラフィティが、アッパーミドルの白人文化へ吸収される形で、前衛芸術として認められるようになったそうだ。
▲取り壊されてしまった聖地(ファイブポインツ)
何年か前にNYへ行った時に訪れたがここがってよりは街全体がグラフティというかんじはあった。
◼️落書きがアートに変わる
▲落書きから始まって世界的芸術家になった人たちは何人もいるが、一般的に有名なのはバスキアだろう。彼の作品はピカソ級の値がつく。
彼の作品は後にZOZOTOWN前社長、前澤氏が123億円で買い取るのだからすごい話である。
バスキアは高校の同級生と徒党を組み、グラフィティデュオ「SAMO©︎(セイモ ーSame Old Shit(いつもと同じさ)」を結成。78年の初めから79年の終わりまでのおよそ2年間、ローワーマンハッタンの路上をキャンバスに活動。当時のグラフィティ界においてはかなり異質だったらしい。
おもに1980年代のニューヨークのストリート・カルチャーから発生したポップ・アートやグラフィティ・アート運動活躍したことで知られる。
ヘリングはニューヨークの地下鉄内で自発的に描いたグラフィティ作品を通じて人気を集めた。
チョーク・アウトライン形式(犯罪現場で被害者の位置を書き記しするための線)でシンプルな絵画が特徴で、活動初期は地下鉄の広告板に黒いシートを貼って描いていた。
ヘリングがよく描いたモチーフは「Radiant Baby(光輝く赤ん坊)」「円盤」「犬を象徴するもの」などである。
ヘリングの絵画は「多くの人が認知しやすいビジュアル言語」の要素があり、また後期作品においては政治的、社会的なテーマ、特にホモセクシャルやAIDSなどのテーマが含まれるようになった。ホモセクシャルやエイズはヘリング自身の象徴でもあった。
▲(バンクシー展にて)
言わずもがなバンクシーは有名だ。
バンクシーはイギリスを基盤にして活動している匿名の芸術家、公共物破壊者(ヴァンダリスト)、政治活動家。
もともとは、芸術家と音楽家のコラボレーションが活発なイギリス西部の港湾都市ブリストルで活動していたローカルな芸術家だったが、2000年代に入るとイギリスを飛び出し、ニューヨーク、パレスチナなど世界中を舞台にして活動することが多くなった。
おもにストリート・アート、パブリック・アート、政治活動家として評価されている。反戦問題、パレスチナ問題、難民問題、人種問題、反資本主義などの政治的メッセージが明確に作品に込められている。
バンクシーはだれでも閲覧できる公共空間に作品展示することが多く、ギャラリーや屋内など密室的な空間で展示することは少ない。屋内で作品を発表することもあるが、その場合は、自身のウェブサイトやインスタグラムなどインターネットを通じて発表している。
ドローイング、絵画、映画、書籍などさまざまなメディアを利用しているが、特に知られているのはステンシル(型板)を使用したグラフィティ絵画とその絵画に添えられるエピグラム(簡潔でウィットのある主張を伴う短い詩)である。
バンクシー自身はアート・ビジネスに対して消極的なため、自身のストリート・アートの複製物や写真作品を直接販売することは少ないが、アート関係者はさまざまな場所に描かれたバンクシーの作品を何とか手に入れて販売しようとしたり、無断でグッズを作成したり、展覧会を開いたりしている。
バンクシーは、パレスチナ問題に関わったり、世界中の有名美術館に自身の作品を無断で展示しはじめた2000年代前半から有名になりはじめたが、もっとも世界中を騒がせたのは2018年10月の「シュレッダー事件」である。この事件は、世界中のメディアで大きく紹介され、美術界だけでなく一般的にも話題になった。
2019年にイギリスのインターネット・マーケティング会社YouGovが『ホーム&アンティーク』誌で「現代のイギリスで、歴史上もっとも人気のあるアーティストは現在誰か」という調査をおこなったところ、レオナルド・ダ・ヴィンチやヴィンセント・ヴァン・ゴッホ、クロード・モネなどの歴史上の巨匠を抑えて、バンクシーが一位に選ばれた。
▲KAWS
1990年代といえばKAWS。
2000年代の日本において、APEやsupremeなどのストリートブランドが大流行していた時もあったが、まさにKAWSはイカシテルストリートブランドという印象があった。その当時はまだ中学生ぐらいだったのでKAWSの凄さは全然わからなかったが、後になって調べるとすげえー!となった。
KAWSの初期グラフティにおける技法は、
バスの待合所や公衆電話ボックスの広告に漫画のようなキャラクターを書き加えるなど、企業広告を改変して全く違う意味にする手法「Subvertising(サブバータイジング)」と呼ばれた。
一般庶民層にも人気が高い現代美術家であり世界的に有名。ディズニーやセサミ・ストリートなど、既存の有名キャラクターをリメイクしたものがあり、アート・トイの先駆者とも呼ばれている。
▲invader
1970〜80年代のビデオゲームから強い影響を受けています。ピクセルで構成された8ビットのビジュアルが、セラミックタイルの特性とマッチしていることに気づきいたのが制作のきっかけでした。また、丈夫で長持ちするという点も雨風にさらされるストリートに作品を長く残すためには重要なポイントでした。
そして、1990年代の中頃から街中に作品を残すようになり、1996年に「Invasion(侵略)」というプロジェクトを本格的にスタートしていきます。
2015年のSotheby’sのオークションでは25万ドル(約2,800万円)の値を付けるなど、年々、作品に対する評価も爆上がり。※現在は100万ドルを超える。
▲stik
こちらも100万ドルアーティストのstik。
6ライン2ドットのスタイルは短時間で感情を伝えます。スティックは2010年後半に日本に1年間住んでいたことがあります。このスタイルは漢字から影響受けていると言われます。
スティックが描くキャラクター(スティックマン、スティックピープル、スティック フィギュア) と呼び方は様々ですが、性別や人種年齢の概念はありません。
ホームレスになった経験もあるほど、過酷環境の中で生活して経験があります。
スティックのグラフィティはその町に住む人々の生活を尊重し、公共の空間は人々が所有していることを企業や国家に思い起こさせるという活動の目的があります。
ホームレスのシェルターで出会った人たちの抱えていた社会問題をアートにリンクさせているんです。
日本でも静岡ストリートアートプロジェクトに参加し、プリントの収益は慈善団体に寄付されました。
▲Jon One
▲1985年代の初期作品
グラフィティーアーティストであり画家でもあるJohn Andrew Perello(別名JonOne)ドミニカ出身。ニューヨーク・ストリートアートの伝説的人物であったジョン・ワンは今や偉大なアーティストの一人。 現在彼は現代美術のスター的存在として認知され、アーティストランキングのトップ500に名を連ねている。 ファッションアパレルメーカーなどのコラボレーション作品も手掛け、最近ではバンド”ONE OK ROCK”のアルバムデザインのために書き下ろした作品を残したことでも知られている。
壁から始まって世界的に有名になったアーティスト達はもはや成り上がりである。
破壊行為(ヴァンダリズム)とは創造であるといえる。
破壊して再生する。それの繰り返しであるから破壊しないと次に進めない。
哲学者ニーチェ曰く、破壊行為は文化の破壊。
文化とは国家である。
つまり、グラフティカルチャーもパンクカルチャーも根本的なテーマは破壊。
問題提起し、社会に影響を与え、人々の思想が変化していく。この一連の流れが破壊と再生。
ヴァンダリズムは、公共または私有財産を故意に破壊する行動主義のこと。ゲルマニアから移民してきたヴァンダル人が独特の破壊的性格を持っていたことから、ヨーロッパの18世紀頃の啓蒙思想時代に使われるようになったのが、言葉のルーツとされている。
1794年に、ブロワの司祭アンリ・グレゴワールが初めて「ヴァンダリズム」という言葉を使用した。フランス革命に続く恐怖政治の時代に多数の宗教芸術や建築物が破壊されたが、これをグレゴワールはヴァンダル族の野蛮な破壊になぞらえて「ヴァンダリズム」と呼び、芸術や建築の保護を訴えた。
ヴァンダリズムの定義は一般的に
オブジェクトそのものの破壊や損傷を目的とした敵対的行為。
他の目標(他者の財産の横領、妨害行為)を達成するための間接的な手段として行われる破壊行為。
オブジェクトの破壊を通じて自己表現を行おうとする破壊衝動に駆られた行為。
などに分類されるが、「芸術におけるヴァンダリズム」は対象物の劣化・破壊を通して自己表現したいという欲求に動機づけられた行為で、以上の3つの区別される。
また、ヴァンダリズムという言葉には、所有者の許可なしにあらゆる器物に対して直接行われるグラフィティや変造のような器物損壊罪の意味も含まれる。ヴァンダリズム自体は違法だが、現代の芸術や大衆文化においてヴァンダリズムは不可欠な要素にもなっている。
1871年5月23日、同じくパリ・コミューンによりチュイルリー宮殿が破壊されると、哲学者フリードリッヒ・ニーチェは「文化との戦い」で文化について深く思想する。
ニーチェによれば、近代国民国家の確立は「国家」と「文化」を一体のものとみなすものである。「文化」とは「国家」であり、国家を破壊することは、その時代の文化を破壊し、また正義となると論じ、そうだとすれば何が正しい芸術なのか問いただし、ヴァンダリズムの意味を考えると、芸術の破壊は歴史や考古学を尊重する文化においてのみ意味がある行為であると考えている。
それでは良い終末を!